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Channel: オーディオ三國無双 猛将伝 Ⅱ -不死鳥伝説-
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究極のテレサ・テン、実食! Stereo Sound Flat Transfer Series 第9弾♪

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さてさて、ちょっと間が空いたが(笑)、Stereo Sound Flat Transfer Series 第9弾「空港/テレサ・テン ポリドール版&トーラス版」の実食である!前回の記事で触れたとおり、手元にあるルビジウム・クロックによるリマスター盤『ゴールデン☆ベスト テレサ・テン』収録の「空港」(ポリドール版)とも比較試聴してみた。

今回、ルビジウム盤とステサン盤との比較は、同一マスター(ポリドール版)の「空港」である。故に、その差も非常に微妙なものと想定される。試聴に際しては、その微細な差をも聴き分けられるよう、送り出しの源流(CD再生系)にはできる限り情報量の多い、機器を選択した。

まず、CDトランスポートにはエソテリックP-0(初期ロット)。CDプレーヤーの原器と呼ばれるだけあって、こと、CD再生に関しては、このトランスポートの右に出るものは未だ存在しない。

P-0は調整次第では、現行エソテリックのフラッグシップSACD/CDトランスポート、グランディオーソP1をも超える可能性を秘めている。何と言っても、フォーカスやトラッキング、サーボ等をメニュアルで調整できるのがP-0最大の強みである。それだけに使い手の力量が問われる機器でもあるが。

P-0はマスタークロックジェネレーターのエソテリックG-0dRbによりルビジウム精度のクロック制御を図る。ルビジウム・テレサにはピッタリであろう(笑)P-0からの信号をDDコンバーターのdCS Purcellへ入れ、24Bit/192kHz変換の後、デュアルAES/EBUで、DAコンバーターのdCS Deliusへ入れる。

ステサンのCD-Rも、マスタリング時のADコンバーターにdCSの904を採用しているので、dCSのDDCとDACでのプレイバックは理に適ってているだろう(笑)音色的な整合性の点でも、メリットがある・・・ような気がする(爆)

プリは、源流の情報量を無駄なく色づけなく、また一切のエネルギーの欠損なくパワーに導き入れるため、ジェフのシナジーをあてがう。プリの選択肢としては、同じくジェフのコヒレンスと大いに迷った。低域の底知れぬエネルギー感ではコヒレンスに分があるものの、全域での音の力感や情報量ではシナジーがコヒレンスを凌ぐ。今回は圧倒的な情報量を活かすためにシナジーを選択した。

パワーはシナジーとの相性も抜群、ヴォーカルの熱いナマナマしさは天下一品のパスラボ・アレフ2だ。

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それでは、早速、実聴してみよう。

今回も、スピーカーJBL K2からの出音を、ハンディレコーダーのZOOM Q2HDで生録した。必殺!“自己マン録り”である!(笑) YoTube対応の圧縮音源なので、実際の出音に比すべくもないクオリティではあるが、音源の違いが雰囲気として伝われば幸いである。

良質のイヤホン(ヘッドホン)を使い、大き目の音量で試聴していただくと、より実際の出音に近づけると思う。


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●「空港」 テレサ・テン ( '74年 ポリドール版 『ゴールデン☆ベスト テレサ・テン』 #1より)

Kukou / Teresa Teng (Polydor K.K.) / Rubidium Digital remastering

Speaker: JBL K2 S5500
Ultra High Frequency Tweeter System: JBL UT-405
Pre Amp.: Jeff Rowland D.G. Synergy
Power Amp.: PASS labs ALEPH 2
Transport : ESOTERIC P-0
Master Clock Generator: ESOTERIC G-0dRb(G-0d+Rubidium Frequency Unit)
D/A converter: dCS Delius
D/D converter: dCS Purcell



動画の冒頭、楽曲が始まる前を長めに録ってみた。

P-0のキュルキュルという動作音が聞き取れるだろう。これは、P-0の動作設定に起因する。音質への影響を避けるため、トラッキング・フォーカス・スピンドルの3つのサーボ回路のゲインをミニマムに設定した結果、P-0がディスクのクオリティに対して極めてナーバスになるため発生する動作音なのだ。

ディスクの面振れ・偏心・フィンガープリント・傷・ブラックドットなどディフェクトの多いCDほど、極少しかサーボ補正をかけていないためP-0の動作音が大きくなる。これは、新品のディスクでも、多かれ少なかれ8割がたキュルキュル音を発生する。つまり、P-0再生時における動作音は、ディスククオリティを図る物差しとなるのだ。

ルビジウム・テレサ盤は、マスタリングのプロセスではルビジウムを使用した高精度なカッティングをしてるのだろうが、プレス工程は、スタンダードなCDと同様であるから、ディスクそのものの物性クオリティが高いわけではない。P-0のキュルキュル音が、それを裏付けている。

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さて、ルビジウム盤の音質だが、40年前に録音された歌謡曲としては、まずまずのクオリティだろう。意識的に音のエッヂにメリハリをつけ、音楽に華やかな雰囲気、イキイキとした躍動感を付加している。子音は強めで少々耳につくが、キリッとシャープな音像描写は、テレサ嬢のフレッシュな歌声を引き立てている。

バックの楽器群は平面的で奥行感に乏しいが、個々の音粒に勢い、パワーがあるので、それなりに楽しめる。微小レベルのノイズ感は、当時の歌謡曲の平均値よりもかなり抑えられており、それなりにルビジウム・リマスターの効果があるように思える。


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●「空港」 テレサ・テン ('74年 ポリドール版 Stereo Sound Flat Transfer Series CD-Rより)

Kukou / Teresa Teng (Polydor K.K. / Stereo Sound Flat Transfer Series NO.9)

Speaker: JBL K2 S5500
Ultra High Frequency Tweeter System: JBL UT-405
Pre Amp.: Jeff Rowland D.G. Synergy
Power Amp.: PASS labs ALEPH 2
Transport : ESOTERIC P-0
Master Clock Generator: ESOTERIC G-0dRb(G-0d+Rubidium Frequency Unit)
D/A converter: dCS Delius
D/D converter: dCS Purcell



こちらも、冒頭、楽曲の始まる前を聴いていただくと・・・・・あのP-0のキュルキュル音が皆無であることが分かるだろう。バカ高いステサンCD-Rではあるが、そのディスククオリティは確かにホンモノである!大量生産プレスの量販CDとは一線を画する高品位なディスククオリティなのだろう。

かつて、民生用CDレコーダーが登場した90年代後半、録音したCD-Rを通常のCDプレーヤーで再生すると、ピックアップの寿命を縮めるという定説?が流れたが、それは、今は昔のお話。当時のブランクディスクは未成熟な生産工程のため、光量不足で精度も低く、CDプレーヤーのピックアップ・アクチュエーターにかける負荷が非常に大きかった。また、CDレコーダー自体の完成度もまだまだ低かった。故に前述のような“定説”が流れたわけだが・・・

現在のハイグレードなCD-Rブランクディスクは、クオリティの面で、通常のCDと同等かそれ以上の性能を有しており、むしろ、粗雑な大量プレスがなされたお隣さん国の海賊盤CDのほうが、遥かにCDプレーヤーにとってはよろしくない。今回のP-0によるステサンCD-R再生は、図らずとも、大量生産されたCDよりも、丁寧にデュプリケートされたCD-Rのほうが高精度なディスクであることを実証したと言えるだろう。

さて、ルビジウム・テレサとステサンCD-R、自己マン録りでは、それほど違いが分からないかもしれないが、実際のスピーカーからの出音では、明らかに音質が異なる。同じマスターなので根本的な音色は変わらないが、ヴォーカルの響きに柔らかさや艶やかさ、有機的な空気感を感じる。ヌケも良い。チョイとキツメに録られたヴォーカルに“優しさ”をブレンドしたような描写だ。

バックの演奏も透明度が増し響きが豊かで、奥行きや広がりもルビジウム盤より出てくる。低域の締まりも良好だ。ルビジウム盤だとバックのオケとテレサ嬢のヴォーカルが、横一列に並んでいるようなサウンドステージであったが、ステサンCD-Rでは、僅かながら立体感が増して、オケ群が気持ち後退、ヴォーカルが前方定位する・・・・・ような気がする(笑)

まぁ、このあたりの微細なニュアンスは、お気軽レコーダーの自己マン録りでは伝わらないかもしれない。


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●「空港」 テレサ・テン ('84年 トーラス版 Stereo Sound Flat Transfer Series CD-Rより)

Kukou / Teresa Teng (Taurus Records inc./taurus / Stereo Sound Flat Transfer Series NO.9)

Speaker: JBL K2 S5500
Ultra High Frequency Tweeter System: JBL UT-405
Pre Amp.: Jeff Rowland D.G. Synergy
Power Amp.: PASS labs ALEPH 2
Transport : ESOTERIC P-0
Master Clock Generator: ESOTERIC G-0dRb(G-0d+Rubidium Frequency Unit)
D/A converter: dCS Delius
D/D converter: dCS Purcell



トーラス版は音源マスターそのものが異なるため、前述の2バージョンとは音質&音色の趣が全く異なる。

ポリドール版でのオケやヴォーカルがグイグイとくる元気の良さがほど良く抑えられ、上質で品の良いウェルバランスな雰囲気で録られている。全域では破綻なく聴けるのはポリドール版のほうだろう。反面、再生する上での面白みに欠ける・・・・とも言えるのだが。

テレサ嬢、10年間での日本語の熟練度は相当増したのだろう、ポリドール版での拙い日本語とは異なり、違和感のない流暢な発音なので、聴き手の耳にスッと入ってくる歌唱だ。録り方も“フツー”、ヴォーカルも“フツー”なので、一聴のインパクトはポリドール版に及ばない。

しかし、オデオ的なディテールを聴くと、高域の解像度が向上しているため、ポリドール版では耳についた子音のキツさが僅かながら緩和している。一番の相違点は、ヴォーカルのグッと厚みの増した中低域の肉付きの良さだ。精度の甘いCD再生系だと、この低音感がダブついた感じに聴こえるかもしれないが、高精度の変換系であれば、質感の高い中低域を味わえることだろう。


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フレッシュで押し出しの良さを感じるルビジウム・テレサのポリドール版「空港」。ルビジウム「空港」に響きの良さと透明感をプラスしたステサンCD-Rのポリドール版「空港」。派手さを抑え上質でスムーズ、一段と品位の増したトーラス版「空港」・・・小生的には、ガツン!と満足感のあるステサンCD-Rのポリドール版「空港」をチョイスしたい。

さて、三者三様の「空港」、読者諸兄はどの「空港」がお気に召しただろうか?

なになに!「オマエの自己マン録りを聴いても、ワカランだろう!!」とおっしゃるそこの貴方!!(爆)

ならば、是非、ルビジウム・テレサ盤とステサンCD-Rを購入いただき、ご自分の耳で確かめていただきたい!

最後に、このような貴重なCD-Rを聴く機会を頂戴したZジジイさんに、深く感謝の意を表したい。

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