さて、今宵はお気に入りのトランスポート、KRELL MD-10を更に強化しよう、というお話。
拙宅では、エソテリックP-0やP-70vu、D-70vuのように外部クロックと同期が取れるデジタル機器は、マスタークロックジェネレーターのエソテリックG-0d+ルビジウムクロックユニットと接続することにより、高精度クロック化を図っている。
その効果は、駄耳の小生でも一聴してわかるほどだ。全帯域で音像のフォーカスがキリッと引き締まり、SNが一気に高まることにより音場の透明度が段違いに向上する。と、書くと、高解像度のカリカリとした高鮮度の音を想像されるだろうが、そうではない。
確かに、解像度~音楽の細やかな描写は一段と繊細さを増すが、それだけではない。音楽全体としては、柔らかさやしなやかさが増し、まろやかで濃密な空気感が聴き手を包み込むような雰囲気の再生となる。サウンドの重心は一段と低くなり、腰の据わった腹に響くような低音を味わえる。部屋の壁を突き抜けて広がるような倍音の豊かさは特筆ものだ。
この、高精度クロックの恩恵を、是非ともMD-10にも付加させたいと思った。
・・・が、MD-10には、残念ながら外部からの基準クロック入力端子(WORD−SYNC、GEN−LOCK)がないのだ!もちろん、MD-10内蔵のクリスタル(水晶発振子)クロックは相当に高精度なものを搭載しているが、やはり、ルビジウム精度やセシウム精度のクロックには敵うまい。
さてさて、どうしたものか・・・
MD-10を改造してクロックIN端子を設けることも可能だが、MD-10の稀少性から、そのオリジナリティを壊したくはない。さて、何か妙案はないものか・・・と思案を巡らせた結果、ビビン!と閃いた!!!
そう、かつて使用したアイデアマシン、「INFRANOISE ORTHO SPECTRUM ABS-9999」の再利用である。10の−13乗の精度を保証されたセシウム原子時計の電波時計の電波を受信してクロック源に用いてクロックの高精度化を図る、という優れもの(笑)トランスポートとDAコンバータの間に介在させるだけで良いのでMD-10にも使用可能だ。
ABS-9999は、デジタル信号をクロックとともに打ち直すという方式なので、その効果の程は、外部の高精度マスタークロックジェネレーターからの高精度クロックをWORD−SYNCに供給してコントロールする方式と比べて、いささか疑問が残るところだ。
しなしながら、かつての実聴記事において、小生は以下のようなコメントを残している。
「P-70とNO.30.Lとの間に接続(88.2kHz伝送)して、サクッと聴いた限りでは、先般の「けろクロック」ほど明確な効果ではないにしろ、高域の繊細さが増し、フワッとした音場の広がり、豊かさを得ることができた。まさに、ルビジウム・クロックジェネレーターから高精度クロックを供給した時の変化と同じベクトルの変化である。」
、、、という訳で、G-0d+Rb導入以降は、拙宅システムからは取り外され、オデオ倉庫での待機組となっていたたABS-9999を復活させることにした。MD-10とカップリングさせてみた。
ABS-9999を経由していくつかのDACで聴いてみたが、なるほど、悪くない。
方式の疑問点と接点が増えるデメリットはあるものの、MD-10から直接デジタル信号を取り出すよりは、全ての面で良い方向へシフトする。前述したクロック高精度化で得られる様々なメリットを実感することができる。まぁ、文章にすると相当大きな変化のように受け取られるだろう、実際は、極僅かな差異である。しかし、“オデオばか”たるもの、その“僅かな差”を重視したい(笑)
ABS-9999の効果が特に感じられたのが、歌モノ好きのオデオファイルには既に知らぬ者はいないだろう、オデオ界の歌姫?井筒香奈江嬢がリリースした一連のカバー集「時のままに」シリーズだ。
カバーアルバムとしては、以前より紹介しているしばじゅんの『COVER 70’s』がオデオ的に優秀だが、しばじゅんのアルバムは若干のデフォルメがある。井筒香奈江嬢の「時のままに」シリーズは、まさに王道の高音質録音である。『COVER 70’s』がマーくん並みのスプリットなら、「時のままに」シリーズは、170kmオーバーの超ストレート!
特にヴォーカルと楽器のアコースティック感に関してはヴォーカルアルバムとしてトップクラス。この極めてナチュラルなアコースティック感~非常木目細かい美麗な“響き”の向上が、ABS-9999では顕著に感じられた効果だ。
MD-10 + ABS-9999 では、井筒香奈江嬢のヴォーカルが恐ろしいほどリアルに展開。手を伸ばせば、眼前数十センチのところに佇む香奈江嬢の御顔に触れることができそうな、そんな錯覚さえ感じさせる生々しさである!
微小レベルの暗騒音まで見事に録っており、高SNの再生システムならば香奈江嬢の衣擦れの音、肌呼吸の音(エアー感)でさえ聴き取れる(感じ取れる)だろう。シリーズ4枚とも、非常にシンプルな構成だが、そのディスクに刻まれた情報量は莫大である。
ここで、「井筒香奈江嬢なんぞ知らん!」「「時のままに」シリーズなんぞ知らん!」という方のために、必殺!アマさんコピペ攻撃!!(爆) ちなみに、井筒香奈江嬢の公式サイトはこちら → http://kanae-5.com/
『時のまにまに』
昭和の名曲をカバーした、井筒香奈江のソロ・ファーストアルバム。独自の音世界はすでに確立され、井筒の解釈によって名曲達がオリジナルとは全く違った輝きを放っています。ヴォーカルとギターだけで奏でられる、シンプルかつディープな世界をご堪能下さい。『言葉に出来ない悲しみ、我慢することしか許されない痛み、伝えたくても伝えられない愛情。そんな深い感情を抱く人のそばに、そっと寄り添うような作品を作りたい』という制作コンセプトは、以降リリースされる全ての作品の根底に流れています。優秀録音盤として受賞多数。音楽・オーディオ各誌にて多数掲載されました。2011年発売。
guitar 江森孝之 Takayuki Emori
2 悲しくてやりきれない (作詞:サトウハチロー 作曲:加藤和彦) ザ・フォーク・クルセダーズ
3 逢いたくて逢いたくて (作詞:岩谷時子 作曲:宮川泰) 園まり
4 Woman(Wの悲劇より) (作詞:松本隆 作曲:呉田軽穂) 薬師丸ひろ子
5 ボーイの季節 (作詞作曲:尾崎亜美) 松田聖子
『時のまにまにII 春夏秋冬』
極限まで贅肉を削ぎ落とし、内なる感情をストレートに伝える事への限界にチャレンジした渾身のソロ・セカンドアルバム。とてもストイックな作品です。静寂の中にあふれる情熱、伝えたい思いが凝縮されています。優秀録音盤として受賞多数。2012年発売。
vocal 井筒香奈江 Kanae Izutsu
guitar 江森孝之 Takayuki Emori
1 友達の詩 (作詞作曲:中村中) 中村中
2 春夏秋冬 (作詞作曲:泉谷しげる) 泉谷しげる
3 この空を飛べたら (作詞作曲:中島みゆき) 加藤登紀子
4 そっとおやすみ (作詞作曲:クニ河内) 布施明
5 中央線 (作詞作曲:宮沢和史) The Boom
極限まで贅肉を削ぎ落とし、内なる感情をストレートに伝える事への限界にチャレンジした渾身のソロ・セカンドアルバム。とてもストイックな作品です。静寂の中にあふれる情熱、伝えたい思いが凝縮されています。優秀録音盤として受賞多数。2012年発売。
guitar 江森孝之 Takayuki Emori
2 春夏秋冬 (作詞作曲:泉谷しげる) 泉谷しげる
3 この空を飛べたら (作詞作曲:中島みゆき) 加藤登紀子
4 そっとおやすみ (作詞作曲:クニ河内) 布施明
5 中央線 (作詞作曲:宮沢和史) The Boom
『時のまにまにIII ひこうき雲』
ソリッドかつストイックを極めた前作から少しだけ進路が変わり、井筒がもつ天然の優しさが滲んだアルバム。優秀録音盤として受賞多数。よりいっそう多くの音楽ファンに受け入れられ、ビルボード・ウィークリーチャートでは12位にランクイン。井筒のライフワーク・バンド『LaidbacK』メンバーである藤澤由二(PF)、小川浩史(B)が録音に参加。2013年発売。
vocal 井筒香奈江 Kanae Izutsu
guitar 江森孝之 Takayuki Emori
piano, melodica 藤澤由二 Yuji Fujisawa
electric bass 小川浩史 Hiroshi Ogawa
1 おやすみ (作詞作曲:小田和正) 松たか子
2 ひこうき雲 (作詞作曲:荒井由実) 荒井由実
3 時間よ止まれ (作詞:山川啓介 作曲:矢沢永吉) 矢沢永吉
4 しあわせ芝居 (作詞作曲:中島みゆき ) 桜田淳子
5 雨の街を (作詞作曲:荒井由実 ) 荒井由実
6 少年時代 (作詞作曲:井上陽水) 井上陽水
7 夢一夜 (作詞:阿木燿子 作曲:南こうせつ ) 南こうせつ
『時のまにまにIV 時代』
独自の音世界を築き、多くの音楽ファンや音に拘るオーディオマニアを魅了し続ける井筒香奈江。各地で売上げ記録を樹立する井筒のソロアルバム『時のまにまに』シリーズ第4弾です。深く儚い優しさを纏う井筒の声が、そっとリスナーに寄り添います。研ぎすまされたアレンジで、名曲達の知られざる魅力を引き出す手腕も健在。レコーディングメンバーは、ジャズピアニストとして活躍する藤澤由二とクリエーションのベーシスト小川浩史。この2人は井筒が長年大切に育んできたライフワーク・バンド『LaidbacK』のメンバー。『静かに流れる時間(とき)の中で、貴方のそばに居たい』という、井筒のメッセージをお届けします。
ソリッドかつストイックを極めた前作から少しだけ進路が変わり、井筒がもつ天然の優しさが滲んだアルバム。優秀録音盤として受賞多数。よりいっそう多くの音楽ファンに受け入れられ、ビルボード・ウィークリーチャートでは12位にランクイン。井筒のライフワーク・バンド『LaidbacK』メンバーである藤澤由二(PF)、小川浩史(B)が録音に参加。2013年発売。
guitar 江森孝之 Takayuki Emori
piano, melodica 藤澤由二 Yuji Fujisawa
electric bass 小川浩史 Hiroshi Ogawa
2 ひこうき雲 (作詞作曲:荒井由実) 荒井由実
3 時間よ止まれ (作詞:山川啓介 作曲:矢沢永吉) 矢沢永吉
4 しあわせ芝居 (作詞作曲:中島みゆき ) 桜田淳子
5 雨の街を (作詞作曲:荒井由実 ) 荒井由実
6 少年時代 (作詞作曲:井上陽水) 井上陽水
7 夢一夜 (作詞:阿木燿子 作曲:南こうせつ ) 南こうせつ
独自の音世界を築き、多くの音楽ファンや音に拘るオーディオマニアを魅了し続ける井筒香奈江。各地で売上げ記録を樹立する井筒のソロアルバム『時のまにまに』シリーズ第4弾です。深く儚い優しさを纏う井筒の声が、そっとリスナーに寄り添います。研ぎすまされたアレンジで、名曲達の知られざる魅力を引き出す手腕も健在。レコーディングメンバーは、ジャズピアニストとして活躍する藤澤由二とクリエーションのベーシスト小川浩史。この2人は井筒が長年大切に育んできたライフワーク・バンド『LaidbacK』のメンバー。『静かに流れる時間(とき)の中で、貴方のそばに居たい』という、井筒のメッセージをお届けします。
今回で4作目となる「時のまにまに」シリーズは、懐かしのJPOPカバーという作品でありながら、なぜかジャズ専門の当店で何年間も売れ続ける謎のCDである。ここだけの話、メジャーなジャズの新譜よりも売れてしまうのだ。でも、ジャズ的なテイストはほとんどないし、意図も感じられない。「なんだかしらないけど、試聴コーナーに置いたら最後、どんどん売れていく」という不思議なシリーズなのだ。謎に包まれながら、新作をじっくり聴いてみた。なによりも、井筒香奈江は謎の歌手だ。まさかの選曲と大胆な解釈。あわや放送事故かと思うほどギリギリまで音数を絞り、ふわふわとどこかへ行ってしまう。聴き手は慌てて追いかけながら、見失うまいと微かな音の瞬きまで耳をこらす。追いかけるほど逃げてしまうのかと思えば、簡単に捕まる。そしてまた、そっと歌い始めるのだ。感度MAXになっているあなたの耳元で。これはやられちゃいますね・・・(笑)、抵抗は無意味です。(ディスクユニオンJazzTOKYO店長 生島)
vocal 井筒香奈江 Kanae Izutsu
piano 藤澤由二 yuji fujisawa
electric bass 小川浩史 hiroshi ogawa
1 時代 (作詞作曲 : 中島みゆき) 中島みゆき
2 オリビアを聴きながら (作詞作曲 : 尾崎亜美) 尾崎亜美
3 ガラス越しに消えた夏 (作詞 : 松本一起 作曲 : 大沢誉志幸) 鈴木雅之
4 想い出のスクリーン (作詞 : 三浦徳子 作曲 : 八神純子) 八神純子
5 かもめはかもめ (作詞作曲 : 中島みゆき) 中島みゆき
6 主人公 (作詞作曲 : さだまさし) さだまさし
7 ラストワルツ (作詞作曲 : L.Reed/B.Mason 訳詞 : 松島由佳)ペギー葉山
![イメージ 8]()
どうだろう、結構興味を抱かれた御仁も多いのではなかろうか。
piano 藤澤由二 yuji fujisawa
electric bass 小川浩史 hiroshi ogawa
2 オリビアを聴きながら (作詞作曲 : 尾崎亜美) 尾崎亜美
3 ガラス越しに消えた夏 (作詞 : 松本一起 作曲 : 大沢誉志幸) 鈴木雅之
4 想い出のスクリーン (作詞 : 三浦徳子 作曲 : 八神純子) 八神純子
5 かもめはかもめ (作詞作曲 : 中島みゆき) 中島みゆき
6 主人公 (作詞作曲 : さだまさし) さだまさし
7 ラストワルツ (作詞作曲 : L.Reed/B.Mason 訳詞 : 松島由佳)ペギー葉山
どうだろう、結構興味を抱かれた御仁も多いのではなかろうか。
ちなみに、『時のまにまにIV 時代』と、ベスト収録した『時のまにまに ザ・ベスト』の2枚は、先日のTBM復刻LPと同様、マザー盤・スタンバー盤を介さずマスター盤から直接プレスした180g重量盤マスター盤プレッシングをリリースしているので、アナログマニアの御仁は、そちらをどうぞ!
こちらの180g重量盤マスター盤プレッシングは、現在、アマさんやディスクユニオンJazzTOKYO で入手可能である。限定盤、在庫僅少につきお早めに! http://blog-jazztokyo.diskunion.net/Entry/17274/
最後にトドメ!(笑) オフィシャルYouTube画像より3曲をどうぞ!!