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Channel: オーディオ三國無双 猛将伝 Ⅱ -不死鳥伝説-
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クレル・レジェンド!幻のCDトランスポート、KRELL MD-10 登場!♪

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さてさて、前回の続き、と言うには間が開き過ぎたが(笑)、まぁ、これだけ日時が空けば、
長々とした前回の記事“クレルの軌跡”もご一読していただけたことだろう(爆)

拙宅に数多あるCDトランスポートの中でも、小生が絶大なる信頼を置いている1台がKRELLのMD-1である。あまりにもお気に入りであるため、万一、NGになったことに備え、予備機を1台、計2台のMD-1が手元にある。

“クレルの軌跡”の中でも触れているように、クレルがデジタルプレーヤーを手がける際、本体のクレル社とは別に立ち上げたクレル・デジタル社からリリースされたクレルCDトランスポートの処女作である。

フィリップス・スイングアームの傑作CDM3を搭載、分厚いアクリル削り出しのリッドを備えたトップローディング、筐体四隅に配された特殊なサスペションによるフローティング構造のコンストラクション等、アナログプレーヤーの視点からデジタルプレーヤーを徹底的に解析し構築した名器として、いまだに後発ハイエンドプレーヤーの追随を許さぬパフォーマンスを有している。

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ここで、本題には入る前に、クレル・デジタル社の製品ラインナップを整理してみよう。

クレル・デジタル社も途中からコスト的に効率の悪いアクリルリッドを備えたトップローディングを廃して、一般的なトレイローディングのCDトランスポートになるのだが、ここでは、トップローディングでリリースしていた時期のCDトランスポート(CDプレーヤー)とDAコンバーターを時系列で挙げてみる。

<KRELL DIGITAL>

1989 SBP-64X   18bit/X64 DSP  DAコンバータ 1,980,000円

1990 MD-1   CDM3  CDトランスポート 1,120,000円

1990 MD-2    CDM1Mk2  CDトランスポート  (日本未発売)  

1990 SBP-32X   18bit/X32 DSP  DAコンバータ 800,000円

1991 CD-DSP  18bit/X32 DSP/CDM1Mk2  CDプレーヤー 850,000円

1992 STEALTH  18bit  (日本未発売)

1992 STUDIO   18bit/X32 DSP  DAコンバータ 950,000円

1993 STUDIO2  18bit/X16  DAコンバータ 600,000円

1993 REFERENCE64  18bit/X64 DSP  DAコンバータ 2,850,000円

1993 MD-10   CDM4  CDトランスポート  (日本未発売)

1993 MD-20   CDM1Mk2  CDトランスポート 1,150,000 円

クレルデジタルのラインナップは、スタートより、トップモデルのCDPとDAC、そして、エントリーモデルのCDPとDACという構成でリリースされてきた。例外的に、エントリーモデルのMD-2とSBP-32Xを合体させたCD-DSPが唯一の一体型トップローディングCDプレーヤーとして存在する。

トップモデルとエントリーモデルの違いだが、CDトランスポートでは搭載されるフィリップス・スイングアームメカの違い、DACではオーバーサンプリング次数(SBP-32Xは32倍、SBP-64Xは64倍オーバーサンプリング)の違いが大きな差異と言えよう。

特に、CDトランスポートでのドライブメカによる音質の差は大きく、CDM3搭載のMD-1とCDM1の廉価ドライブCDM1Mk2を搭載したMD-2とのサウンドクオリティの差は、価格以上に大きい。一時期、MD-1とMD-2を併用していたが、結局はMD-1しか使わなくなり、MD-2は早々に手離すこととなった。

第一期CDトランスポートのMD-1とMD-2の後継機にあたるのが、第二期モデルのMD-10とMD-20である。トップモデルのMD-10はMD-1のCDM3に変わりスイングアームドライブ史上最強最高のメカと絶賛されたCDM4を搭載している。エントリーモデルのMD-20は、前作MD-2同様、CDM1Mk2搭載機だ。

この第二期モデル、前述の表にもあるように、エントリーモデルのMD-20は国内発売されたが、何故かトップモデルのMD-10は国内未発売であった。日本発売されていれば、MD-20が115万円であることから察するに、おそらく、150~200万円位、名器の誉れ高いマークレビンソンNO.31L(CDM4インダストリアル搭載、170万円)の良いライバル機になったでろう。

日本ではレジェンドと化したこのKRELL MD-10、実は何としても入手したいモデルであった。

、、、で、本題!!(爆)

遂に入手したのだ! キズひとつない極上モノである!! 当然、US仕様115Vだ。

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以下、日本でも数台あるかないか、の貴重なMD-10の御姿である! 上のMD-1と比較していただきたい。アクリルリッドはMD-1のスモークタイプではなく、クリアタイプ。音質的には外光の遮蔽率が高いスモークタイプのほうが優れているのだろうが、見た目の美しさはクリアタイプが凌ぐ。

更にこのMD-10、デジタルアウトもスタンダード仕様のMD-10プラスアルファのオプションを搭載している。標準のAES/EBU、RCA、TOS、STの4種に加え、スペシャルチューンされたST端子が1系統加わり、計5系統のデジタルアウトを装備する。

MD-1のスタンダード仕様でRCAとTOSの2系統、オプションでST1系統の計3系統(拙宅MD-1はST搭載)と比較すれば、充実度が増している。AES/EBUが新たに増設されたもの◎だが、極めて優れたデジタル伝送スピードを誇るSTが2系統もあるのは嬉しい限りだ!

その音質は、まさにMD-1のDNAを受け継いだ正当進化系である。

超低域から超高域までの圧倒的な情報量、中域の密度感の高さはそのままに、全域での解像度、透明度が一段と向上、音像描写は、より鮮明で濃密、極上の音楽を奏でる要素をすべて備えたトランスポートへと進化している。

ただ、音場空間におけるフワッと漂う産毛のような空気感、柔和な語り口はMD-10よりもMD-1のほうが得意のようだ。これは、CDM3とCDM4のドライブメカが持つ根源的な音質の違いかもしれない。

で、早速、いろいろと聴いているのだが、出色の出来はヴォーカルの音質。

MD-1もヴォーカルに特化すれば、エソテリックのP-0やP-70vuといったVRDS系を凌ぎ、ヴィマックのDT-1000、マークレビンソンのNO.31Lと並び拙宅トラポ三英傑であるが、此度、MD-10が加わり、ヴォーカル四天王となった(笑)

で、特に凄さを実感したディスクがコレ!

一説では、ブロ友の皆さんがこぞって購入したという(笑)、中森明菜嬢の『歌姫』シリーズ最新作、
『歌姫4 -My Eggs Benedict-』である!

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『歌姫4 -My Eggs Benedict-』

01. スタンダード・ナンバー(南佳孝)
02. 真夜中のドア(松原みき)
03. Lovers Again(EXILE)
04. 長い間(Kiroro)
05. ハナミズキ(一青窈)
06. 愛のうた(倖田來未)
07. fragile(Every Little Thing)
08. 接吻(オリジナル・ラブ)
09. そして僕は途方に暮れる(大沢誉志幸)
10. やさしいキスをして(DREAMS COME TRUE)
11. 雪の華(中島美嘉)

商品の説明

シリーズ累計150万枚以上の売上を誇るカヴァーシリーズ<歌姫>の最新作リリース決定! !
毎回異なる趣きの選曲が話題の『歌姫』シリーズですが、今作のコンセプトは“ザ・ラブソング"。
70年代後半~2000年の名曲が選曲されており、原曲の素晴らしさに引けを取らない、強い歌心が響きわたる明菜ワールド全開のラブソング集になる予定です。
このコンセプトを、1枚のお皿を愛らしく彩る対の“エッグ・ベネディクト"になぞらえ、よりイメージが膨らむようなタイトルにしました。
優雅なサウンドアレンジが特徴的でこれぞ“歌姫明菜、復活"といえる作品になります。
初回限定盤はDVD付(DVDの内容は未定です。)

、、、だそうだ。

この『歌姫4』、音楽的にみても、オデオ的にみても、『歌姫3』とは一線を画する出来栄えである!

音楽的には、千住明がトータルアレンジ/プロデュースした『歌姫』~『歌姫3』とは全く異なった仕上がりとなっている。11曲中9曲をギタリストの鳥山雄司がアレンジを担当、ジャズ&ラテンフレーヴァーを色濃く反映させたカッチョええ仕上がりとなっている。

これまでの『歌姫』はどちらかと言えば、原曲に近いアレンジで、そこに千住明らしい哀愁を帯びたストリングスを付加することで、独特のアキナワールドを形成していたが、『歌姫4』は、原曲の持つスピリットは大切にしながらも、更に高次のレベルで原曲を昇華し、見事なオリジナリティが誕生している。

これは、カヴァー云々というレベルを遥かに超越しているように思える。

また、#3や#7など、小生もあまり聴いたことのない最近のJ-POPも収録されているため、カバーというよりは、新曲感覚で聴くことができた(笑)ジャズ色を強く打ち出した南佳孝のスタンダード・ナンバーはクール!ゾクゾク!っとくるのは#4「長い間」#11「冬の華」。タマリマセン!(爆)

10代~20代の頃の張りのある伸びやかなヴォーカルでもなく、30代~の情感タップリに歌い上げる「情念の歌姫」時代のヴォーカルとも異なる、なんとも軽やかながら、とてつもなく深みのあるヴォーカルは、明菜嬢ヴォーカルの新たなステージ到来を予感させるパフォーマンスだろう。

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オデオ的にも極めて秀逸。ヴォーカルのリアリティが半端でない。先般のプラチナディスクでリリースされたしばじゅんの『バビルサの牙』もJ-POPのヴォーカルCDとしては相当な高音質であったが、ヴォーカルの濃厚な密度感では『歌姫4』が凌ぐ。ジャジーなホーンセクション等のバックの音質も、これまでの歌姫シリーズとは一線を画する高音質ぶりだ。

例の「セシウム明菜」同様、ユニバーサル・ミュージックからのリリースということなので、マスタリング段階でセシウムクロックを使用したのだろうか。只者ではないヴォーカルに録れている。「中森明菜」の好き嫌いは別として、ヴォーカル好きのオデオファイルならば必聴の1枚であろう!

MD-10よりAES/EBUでdCSのPURCELLに送り、デュアルAES/EBU伝送でdCSのDELIUSでD/A、CelloのENCORE PREAMPLIFIER ⇒ PASS LabsのALEPH2で聴いたサウンドは絶品!

ハイレゾだ!アナログだ!と騒いでいるのがアホらしくなるほどの超絶リアリティ(爆)

CDでも、これだけの情報量が収められているのだと、正直、小生自身も信じられないくらいの高音質であった。

目と瞑れば、目の前に調整卓が浮かび上がり、ラージモニターの間に配されたヴォーカルブースで、目を閉じて歌う明菜嬢が眼前に浮かび上がるような感覚のプレイバックである! いやいや、鳥肌ものである!!

ここで、また、ハンディレコーダーによるジコマン録りをしようとも思ったのだが、新譜ゆえ、チョイと様子をみることにしよう(笑)その代わりと言っては何だが、オフィシャルに配信している『歌姫4』のティザーPVをUPしておこう。

#4「長い間」。こちらのアレンジ担当は鳥山雄司でなくチェリストの溝口肇。しっとりとアコースティック感溢れる雰囲気のピアノ&ストリングスアレンジが、切々と歌う明菜嬢のヴォーカルを見事に引き立てている。



ついでにオマケ!宣伝!!(爆) 新曲「Rojo-Tierra-」のティザーPVもどうぞ!



いやいや、CD再生、まだまだ奥が深い!小生の知らない未踏の領域が存在するのかもしれない。小生なんぞ、まだまだCDの入り口の音しか聴いていないのかもしれない。今後は、MD-10を武器に、CD再生の全容を追及していきたい思う。

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